子どもの誤飲、窒息というとタバコ、薬、洗剤、玩具などがすぐに思い浮かびますが、意外に多いのが食品による窒息事故です。消費者庁の報告では、平成22年から26年までの5年間で87人の6歳以下の子どもが食品による窒息で亡くなっています。また、東京消防庁管内で平成27年から令和元年の5年間に喉にものを詰まらせたり、危険なものを飲み込んだりして救急車で運ばれた0歳から5歳の子どもは6,071人で原因となっているものは多様ですが、最も多いのが「食品・菓子」と報告されています。

小児科医などの専門家は、喉に詰まらせやすい食べ物の特徴として以下のものをあげています。
・形が丸くつるつるしたもの(プチトマト、ぶどう、さくらんぼ、あめ玉など)
・粘着性のあるもの(だんご、白玉、もちなど)
・弾力のあるもの(えび、たこ、いか、からあげ、ソーセージ、こんにゃく、マシュマロなど)
・固いもの(えびなどの甲殻類のほかピーナッツ、枝豆、豆類、ラムネ、あめ玉など)

日常的な食べ物でも、口に詰め込みやすいパン、ごはん、いも類なども注意しましょう。

エンゼル110番にも離乳食の相談の中で、「カミカミしないで何でも丸のみしてしまう」という相談が多く寄せられます。赤ちゃんや幼児は、ママが「ちゃんと嚙んで食べようね」と声をかけてもなかなか言う通りにはしてくれません。奥歯が生えそろう3歳くらいまで大人に近い咀嚼はむずかしいとされています。まずは月齢、年齢、成長段階に合わせた食材、大きさ、調理法を心がけましょう。(プチトマトや大きいぶどうは四分の一にカットする、大きい食材は小さく刻む、こんにゃくは糸こんにゃくを使い短くカットする、固すぎる食材は与えないなど。)
さらに、遊びながら、歩きながら、走りながら、寝ころびながら、しゃべりながらの「ながら食べ」は喉に詰まらせるリスクが高いので、できるだけ食べることに集中させたいですね。