小さいお子さまを育児中のママたちは、毎日子どもから目が離せず、知らず知らずのうちに背中などの筋肉が緊張してしまい、体や心に疲れを感じることが多いかもしれませんね。
 人の背中には、呼吸にかかわる神経が通っています。背中の緊張と呼吸はとても関係深いものです。背中が緊張していると胸が開かず呼吸が不十分になりますが、背中の緊張が和らぐと、肺にたくさん酸素を取り入れることができて呼吸が深まっていきます。そして、呼吸が深まることで緊張もほぐれ、心と体がぐらつきにくくなり安定してくるといわれています。

これからご紹介する「ため息をつくように呼吸する」方法と「声を出して呼吸する」方法は、忙しい毎日でも無理なく行える体の緊張をほぐすよい呼吸法です。

「ため息をつくように呼吸する」方法
 ・鼻から息を深く吸い込む。
 ・口から「はぁ~」と、ため息をつくように吐き出す。  
赤ちゃんも、ため息をつくことがよくありますね。深く呼吸するために自然に起こっている反応なのでしょう。
「声を出しながら呼吸する」方法
 ・鼻から息を吸い、「あ~」と声を伸ばしながら息を吐きます。おへその下あたりを意識するとよいでしょう。繰り返し行うと、少しずつ長く続けて出せるようになります。
 ※どちらも正座で行い、背筋を伸ばして頭のてっぺんは上に、尾てい骨は下に引っ張るようなイメージを持つとよいでしょう。赤ちゃんを抱っこして行ってもかまいません。
余裕があれば、「ため息呼吸」と「声を出しながらの呼吸」を交互に行いましょう。続けていくと、背中がリラックスしていく感覚がつかめるようになります。

考えてみると、人はほっとしたときや疲れたとき、怒りを感じたときなどに、思わず声が出てしまうことがありますね。声を出して緊張をゆるめようとする自然な反応なのかもしれません。
 赤ちゃんも、泣いたり怒ったりすると体が緊張します。やさしくさすってあげると筋肉の緊張がほぐれ、リラックスして深く呼吸ができ、睡眠が深くなりやすいのです。

 産後はホルモンバランスの変化や慣れない育児で、不安な感情や抑うつ気分に陥りがちです。ママも赤ちゃんも緊張をほぐしてお互い笑顔になれると、気持も安定することでしょう。