赤ちゃんは抱っこされるのが大好きですね。生まれたばかりの赤ちゃんは包み込まれるように胸に抱かれ、匂いとぬくもりを感じて安心します。その触れ合いを通して、人間として大切な人を信頼する力を育むと考えられています。
[抱っこは生きる力]
1248年神聖ローマ皇帝のフレデリック2世が、触れたり話しかけたりすることをまったくしないで赤ちゃんを育てるとどうなるのかという実験をしたところ、どの子も生き延びることはできなかったという記録が残されています。抱かれたり、触られたり、話しかけたりしなければ赤ちゃんは生きることができないのです。抱っこする、目と目が合う、笑顔を向ける、笑顔を向けられる。このような行為で幸せホルモンと呼ばれる「オキシトシン」が産出されます。このホルモンは愛情を深めたり、成長を促したりするだけでなく、ストレス反応を弱くするなどの効果があるといわれています。抱っこは、抱かれている赤ちゃんだけでなく、抱いている人も幸せな気持ちにしてくれるものなのですね。
[肌を通して伝わる気持ち]
ママの気持ちもパパの気持ちも抱っこして肌が触れ合うことで、より一層伝わります。まだ視覚や聴覚が未発達な赤ちゃんは、肌が触れ合うことでいろいろな情報を受け取っているといわれます。抱いてほおずりする、頭を撫でてあげる、ギュッとしたり、話しかけたり…。さまざまな触れ合い方で接するうちに気持ちが通じていくのですね。
[抱っこでわかる赤ちゃんの体調]
抱っこをしていると赤ちゃんの気持だけでなく、体調もよくわかります。体温の高い低いや普段よりぐったりしている、息遣いの変化などを感じることができます。赤ちゃんの体調の変化を素早くキャッチすること、早めの対応に繋がります。
[無理は禁物]
抱っこには素晴らしいことがたくさんありますが、無理は禁物です。エンゼル110番の相談でも抱っこのしすぎで、ママが腱鞘炎や腰痛になってしまったというお話を聞くことがあります。長い時間同じ姿勢で抱かない、立ったり座ったり、横抱き、縦抱きなどこまめに姿勢を変えることが大切です。また、腕の力だけでなく、全身を使って包み込むように抱っこすることを意識する、長い時間の場合は家の中でも抱っこひもなどのグッズを使うなどの工夫もしてみてくださいね。
朝のおはようのギュ、夜のおやすみのギュなど、赤ちゃんが大きくなっても毎日の生活の中に抱っこの習慣があることで、家族の大切なコミュニケーションになります。ママだけが頑張らずに、周りの人にも交代をしてもらいながらたくさん抱っこをしていきましょう。