「寝転がって駄々をこねる」などの行動は2歳前後のイヤイヤ期の頃に多くみられます。好奇心が旺盛になるため、「欲しい」「やりたい」が増えてくるのです。「ひとりでやりたい」気持ちも強くなるので、言うことを聞かなくなってしまいます。こういった気持ちの変化は成長の一過程として大切なことであり、自然なことです。
しかしその「欲しい」「やりたい」行為が危ないときや、誰かの迷惑になってしまうときもあるでしょう。そんなときの対応についてご紹介したいと思います。
まずは「欲しかったもの」「やりたかったこと」とお子さまとの距離を遠ざけてみましょう。距離があいたら、何か他のものに注意を向けてあげましょう。このときのポイントは、保護者の方が楽しそうな雰囲気を作って「あれは、何?」「あそこに○○があるよ!」と声を掛けてあげることです。
それでも、うまくいかなかった場合のヒントとして、相談員とっておきの「駄々をこねさせずに済むかもしれない方法」をご紹介いたします。
それは、どんなにダメなことであっても「うん、いいよ」とすぐに笑顔で応えてあげることです。そうすればお子さまはかんしゃくやパニックを起こさずに済みます。その上で、「やったね、パッチーン」と片手でハイタッチをしたり、両手で「バンザーイ」をさせたりと体をつかった動作を何回か繰り返してみましょう。目で見たものよりも体で感じた刺激のほうがお子さまの興味を惹くものです。お子さまが動作をすることに夢中になっている間に静かにその場を離れましょう。ただこの方法は、お子さまとの「約束を破ることになる」ので、本当にどうしようもない状況でのみ、試してみることをお勧めします。
言葉を覚えておしゃべりが上手になってくると、感情のコントロールもだんだんとできるようになってきます。危険なことへの理解もがまんすることも経験を積みながら覚えてきて、いずれかんしゃくも少なくなっていくと思います。
「約束」ができるようになるのは4〜5歳くらいといわれています。その頃には「寝転がって駄々をこねる」こともなくなっていると思いますよ。