先日、子宮がんの治療をしているママを取材したテレビ番組を見る機会がありました。
 「これまで特別な自覚症状がなく、子どもが生まれてからは健診を受けていませんでした・・・」と涙ぐむママ。思った以上にがんは進行していて、子宮を摘出する大きな手術を受けたということでした。「家族が協力してくれるので助かります」と、小さなお子さんを育てながら家事を頑張ってらっしゃいました。ただ、手術後の体で小さなお子さんの世話は大変ですね。再発の不安もあって精神的な負担も大きいようでした。
 
 この方のがんは子宮頸がんという子宮の入り口にできるがんでした。子宮頸がんはここ20年、20代と30代の女性に急増しているそうです。日本では2人に1人ががんになって、3人に1人ががんで亡くなるといわれています。若い女性やママ世代にも増えているのですね。
 
 子宮がんの原因はほとんどがHPV(ヒトハピローマウイルス)というありふれたウイルスです。性交渉により感染し、女性の8割は生涯に1度はHPVに感染するといわれます。HPVに感染してもほとんどの人は自然治癒しますが、一部の人は感染が持続してがんになります。この初期の段階に健診を受けて早期発見できれば、子宮を摘出するような大きな手術になることは少ないのです。

 子宮頸がんの予防法としては、数年前から女子中学生や高校生への接種が始まったHPVワクチンがあります。HPVワクチンはウイルスに感染していなければ、成人女性での効果も証明されています。ただし、ワクチンもHPVの感染を完全に防ぐわけではないので、ワクチンを接種しても定期的な健診は受けなくてはなりません。

 2年に1度継続的に健診を受けることが早期発見のために大切といわれています。ぜひ時間を作って健診を受けましょう。また、女性特有のがん対策として、20歳、25歳、30歳、35歳、40歳になった女性に、お住まいの自治体から子宮頸がん健診の無料クーポンが送られますので、ぜひ利用したいですね。

 でも「やっぱり子育て中は忙しくて健診に行けない」という声も聞こえてきます。若いママたちの中からは、ママ友のグループで健診を受けるというアイデアも出ているようです。受ける予定が立っていない方は、家族の協力を得て受ける方法を話し合いましょう。
 家族と自分の幸せを守るために・・・。