母乳はよく飲むのですが、離乳食はあまり食べません。赤ちゃんにも貧血があると聞き心配になりました。離乳食はどう進めたらよいでしょう。(9ヵ月)

赤ちゃんは体内に鉄分を蓄えて生まれてきますが、生後6ヵ月頃には使い果たしてしまうといわれています。母乳には鉄分が多く含まれていないので、特に母乳栄養の赤ちゃんでは、離乳食が進まないと鉄欠乏性貧血の心配が出てきます。(母乳のみで育てられた赤ちゃんの貧血有病率は6~7ヵ月で28.4% 9~10ヵ月で40.0%という報告があります)

この時期、身体が大きく成長しているので鉄の必要量も増えています。離乳食で鉄分の多い食材を使っていきましょう。

下の表を参考に鉄の多い食材を、3回の食事に取り入れてください。食品中の鉄分は食品の種類によって、含まれる量や吸収率が異なります。赤身の肉や魚など動物性食品に含まれる鉄分はヘム鉄と呼ばれ、一般的な吸収率は15~25%と高いのが特徴です。一方、野菜、豆類、穀物類などの植物性食品に含まれる鉄分は非ヘム鉄と呼ばれ、吸収率は2~2.5%と低いのですが、動物性タンパク質やビタミンCと一緒に取ると鉄の吸収率が高くなります。赤身の魚や肉は毎日必ず取り入れるようにしながら、新鮮な野菜や果物と組み合わせるとよいですね。

簡単に取り入れられる食材としては、魚のノンオイル水煮缶詰、きな粉、かつお節、煮干しの粉、オートミールがあります。鉄分を強化したべビーフードや育児用粉ミルクも便利です。

鉄が多く含まれる食品:食品10g中に含まれる鉄量(mg)

(6~11ヵ月児の鉄摂取推奨量 男児:5.0㎎/日 女児:4.5㎎/日)
参考文献:チャイルドヘルスVol.24 No.2   2021年2月号
食品成分表2022食品成分データベース