離乳食の後半には「手づかみ食べをさせたほうがよいでしょうか」「やり方がわからない」とご相談をいただくことがあります。その頃になると手や指の機能が発達して、手全体で握ったり小さいものを指先でつまめるようになります。食べ物を目で見て、手で触ったり握ったりして感触や固さ、温度などを確かめながら、目・手・口を協調させていきます。手づかみ食べをたくさん経験することで、食べる楽しさを知りますし、この先のスプーンや箸を上手に使うための基礎になります。また、前歯が使えるメニューは手づかみ食べをするうえでかじり取って一口分の量を覚えていくのに大切な過程となりますので、試してみてくださいね。

初めは食べ物をつかんでみたり放したり、手の中で食べ物をつぶしたりぐちゃぐちゃにしてしまうこともありますが、上手に食べられるようになるには自分で体得していくしかありません。おうちの方は最初は大変かもしれませんがお子さんにエプロンを着けたり、汚れをすぐ拭けるようにぬれタオルの準備や、簡単に片づけができるように下にシートを敷くなどの工夫をしてみてくださいね。

手づかみしやすい調理の工夫や献立をご紹介しましょう。

・手で持って食べやすいように、細長くする。(長さ4~6㎝、1㎝角程度)

・大人の親指と薬指でつぶせる程度まで柔らかく煮た野菜などを、子どもがつかみやすい角切りにする。

・持ったときに崩れないように、パンケーキや豆腐ハンバーグなどの外側がしっかりしていて、中身がふんわりした献立にする。

・ひと口分の量を覚えるために前歯をつかって嚙み切れるトーストしたパンや薄切りりんご、おにぎりなども用意する。

最初は上手に口に運べなかったり、ひと口以上の量を詰め込んでしまったりするので、おうちの方がお子さまの手を持って口へ誘導しながら、ひと口分を食べられるように教えてあげてくださいね。

※参考文献 「1~3歳発達を促す子どもごはん」中村美穂 日東書院本社