ママやパパ自身のおばあちゃん世代には、よく使われていた育児用品やその周辺の言葉を集めてみました。若いママたちには、初めて聞く言葉で新鮮に感じられるかもしれませんね!
ひと昔前に交わされていた会話をいくつかご紹介しながら、解説していきます。
★「暑いので、赤ちゃんをたらいで行水させてから、天花粉(てんかふん)をたっぷりはたいて、金太郎さん一枚で涼しく過ごさせてあげます。」
*たらい・・湯水をいれる浅い円形の容器
*行水・・・湯水を入れたたらいの中で、体の汗を洗い流すこと。今のシャワー。
*天花粉・・・キカラスウリ(天瓜)の根からとった吸湿性のある白いでんぷん。その粉末が雪(天花)のようにサラサラしているのが名前の由来。今のベビーパウダー。
*金太郎さん・・・四角い布に大きく金と描かれた腹掛け。童話の金太郎にあやかり、元気な子に育つようにと命名された。今も通販などで販売されている。
★「最近よだれが多くなって、あぶちゃんをさせていても頻繁にとりかえなくてはならないので、重湯から離乳食を始めようかな。」
*あぶちゃん・・・よだれかけ、スタイ。明治時代、油屋さんが前半身を覆う前掛けをしていて、「油屋(あぶらや)さん」から「あぶちゃん」と呼ばれるようになった。
*重湯・・・多めの水を入れて炊いたご飯から取った上澄みの汁。
★「実家に里帰り中は、行李(こうり)に寝かせていました。自宅に戻ってから、乳母車で散歩を始めました。」
*行李・・・こうりは、柳、竹、籐などで編んだ物入れで衣類、文書などを入れた。
*乳母車・・・元々は、ベビーカーと区別されて、箱形のものが車上に取り付けられた大型のものをいった。寝かせたり、座らせたりして使用できる。
★「おもちゃも、ガラガラ、オルゴールメリー、でんでん太鼓、カタカタと、成長に合わせていろいろ用意しました。」
*でんでん太鼓・・・棒状の持ち手がついた小さな太鼓の両側に紐があり、その先に玉が結びつけてある。持ち手を回転させて、音を出す。
*カタカタ・・・歩き始めの赤ちゃんが押して遊ぶ木製のおもちゃ。うさぎなどの動物が前進する動きに合わせてカタカタと音をたてて動く。
★「寒い時期の外出は、おぶいひもでおんぶが一番。亀の甲やねんねこを羽織れば、どんなに寒くても大丈夫。」
*亀の甲・・・亀の甲羅(こうら)に似た赤ちゃんだけを覆う形のもの。
*ねんねこ・・・ねんねこばんてんが正式名で、赤ちゃんを背負って着る綿入れのはんてん。
参考文献)「衣食住語源辞典」東京堂出版
「日本人の子産み・子育て」勁草書房