子どもが生まれて、わが家でも災害への備えをしなければと思いました。具体的にはどうしたらよいですか?(3ヵ月)

東日本大震災から11年が経過しました。最近では毎年のように各地で豪雨災害も発生しています。エンゼル110番では、震災の年に「災害への備え」についてアンケートを行ないました。その時点で、震災前に備えがあったと答えたママは47%でした。月日が経過した中で、「災害への備え」に対する意識は変化があったのでしょうか?

2015年11月に110人のママたちにアンケートをお願いしました。すると、58.2%が「備え」をしていると答え、備えたきっかけは「東日本大震災を機に」が最も多く、次いで「子どもが誕生した」でした。
具体的に備えているものとしてあげられたものは「水」39.1%、「紙オムツ」19.9%、非常食16.4%、赤ちゃん用のミルク14.5%、ベビーフード5.5%、衣類4.5%でした。東日本大震災で役に立ったといわれるラップ類は3.6%、ポリ袋2.7%など、用意されている方は少なく、いざというときに不安を覚える内容でした。「毎日の育児で手が回らない」「気になっているけれど、まだできていない」などの声も多く聞かれましたが、災害は忘れた頃にやってきます。大切な家族を守るために、ぜひ備えをしましょう。

*ラップ類はこんな使い方ができます。
①食器にかぶせて食事する…断水のときは食器もなかなか洗えません。食器にラップをかぶせて食事をし、その都度ラップを取り換えれると清潔に使えます。
②保温に使う…寒いときに下着と上着の間に新聞紙を二つ折りにして体に巻きつけると温かくなります。さらにその上にラップを巻くと保温性がアップします。
③ケガをしたときに使う…止血した後、ラップを巻くと患部の保護に有効です。また、骨折したときに、棒や板などの添え木を固定するのにも役立ちます。
*ポリ袋
①感染から身を守る…傷の応急手当では感染防止のため、ゴム手袋の代わりに血液に触れないように使います。
②水を運ぶ…ポリタンクやペットボトルがない場合、容器(段ボール箱など)にかぶせて水を運べます。
③トイレで使う…断水でトイレが使えないときに、ポリ袋の中に新聞紙を入れて用をたします。
④クッションにする…空中で袋を振り下ろすと簡単に空気が入ります。好みのやわらかさになったら、ひもでしばってクッションにします。

<物的備え>
次の3つを用意しましょう。
①常時携行品(外出先で被災したときに役立つもの)
②非常持出品(避難するときに最初に持ち出すもの。2泊3日の旅行に行けるぐらいが目安)
③備蓄品(復旧するまで3日~1週間分)
非常持ち出し品・備蓄品については”ホームページはぐくみ”の「赤ちゃんがいる家庭の防災対策」を参考になさってください。
http://www.hagukumi.ne.jp/bousai/01.shtml

NPO法人郡山ペップ子育てネットワークのホームページでは、非常持ち出し品や備蓄品、ポリ袋の使い方について映像でご紹介しています。
「赤ちゃんがいる家庭の防災対策(基本編)」
http://pepkids.jp/039/
「赤ちゃんがいる家庭の防災対策(実践編)」
http://pepkids.jp/040/

水や非常食、紙おむつなどは使用しながら予備を持つようにしていくと、いざというときに賞味期限が切れている、サイズが合わなくなって使えないということもなくなるので、おすすめです。

<お住まいの地域の特性について知る>
“政府広報オンライン”ので「防災・減災」特集があります。地域を入力するか、地図からお住まいの地域の情報が得られます。
https://www.gov-online.go.jp/tokusyu/cu_bosai/index.html
注意すべき災害のハザードマップも閲覧できます。市区町村では、地図やパンフレットにまとめて希望者に配布していますので、一部入手しておきましょう。
また、地図やパンフレットを入手する際に地域の備蓄情報も確認しておくと、ご家庭で何日分まで備蓄する必要があるかの目安になります。