かわいらしい赤ちゃんの足――ふわふわとやわらかい感じがしますね。
 皮下脂肪も全体的に厚く、ぷっくりとしています。大人の足と比べると足の骨はまだ大部分が硬くなる前の軟骨で、エックス線撮影では写らない骨もあります。軟骨どうしのつながりも弱く、強い圧迫を受けると変形してしまうこともあるデリケートなつくりです。そして、軟骨の状態は3歳頃まで続き、大人と同じ骨の形になってくるのは5歳過ぎから小学校にあがる頃で60-70%が完成するといわれています。
 また、赤ちゃんの足はかかとを中心に親指と小指が外に広がった扇形をしており、親指と小指が大きいことが特徴です。やわらかく小さな足裏で体重を支えてよちよち歩くときに、足指はよく動いてバランスをとる役目もしています。まだ歩かない小さな赤ちゃんでも、足指を開いたり閉じたりする運動によって足の骨や筋肉を発達させています。
 さらに、赤ちゃんの足には土踏まずがありません。足底全体がぺったりしていて、歩き始めの頃はぺたぺたと左右に揺れながらの不安定な歩行です。歩くことで筋肉がつき徐々に足底にアーチが形成され、4歳頃までには土踏まずができます。土踏まずは体重の重みを支えるもので、クッションとなって衝撃をやわらげる働きもあります。土踏まずがないと長い距離を歩きづらくなったり、疲れやすくなったりします。
そこで、元気に遊べる”いい足”にするポイントをまとめてみました。

“いい足”のために 

【あせらず自然に】
 早く歩けるようになることと、運動能力とは関係ないといわれています。赤ちゃんが自分から体を動かすことが筋肉の運動になります。あせらずに見守ってあげましょう。

【はだしに】
 足指が自由に動かせるように裸足にして、足の筋肉や靱帯の発達を促しましょう。ハイハイのときにも足指が自由に動くようにできるだけはだしがよく、伝い歩きのときも五本の指でしっかり床をつかむ力を育みます。うまく歩けるようになったら、素足で砂場や芝生など危なくないところで足裏に刺激を与えましょう。小さなでこぼこを上手に歩くために筋肉を使ってバランスをとり足指を動かすことで、自然に足や身体がきたえられ、土踏まずがしっかりできてきます。

【よく歩く】
 小さい頃から無理に歩かせることはありませんが、お散歩や公園などでの外遊びでも足は発達します。赤ちゃんの靴は、足指を自由に動かせるつま先部分が大きいもの、かかとが安定し靴底のやわらかいものがよいでしょう。